プログラミングができる人材が世界中で求められている
ITがあらゆるビジネスで欠かせないものとなり、プログラミングができる人材が世界中で求められています。
さらに、プログラミング教育が遅れているとされる日本でも、学校での必修化の動きが進んでいます。
プログラミングが人気の習い事に
ふだん当たり前のように使っているスマートフォンやパソコン。
写真や動画を見たり、メッセージを送ったりと生活に欠かせないものになっていますが、そうしたコンピューターの動作や処理をするための技術が「プログラミング」です。
そして、このプログラミングに必要なのが「プログラミング言語」。英語や記号を組み合わせたもので、専用の入力方法を使ってコンピューターの動きを一つ一つ決めていきます。こうした動作の種類や用途、さらにパソコン向けかスマートフォン向けかといった環境の違いなどに応じて、多くのプログラミング言語が存在します。
このプログラミングを学ぼうという子どもを対象とした教室が今、人気を集めています。
プログラミングは、今や人気の習い事なのです。
プログラミング教育熱は学校教育でも
こうした“プログラミング教育熱”が広がる背景には、プログラミングを身につけることで将来の仕事につながるのではないかという期待が高まるなか、学校での必修化の流れが具体化したことがあります。
文部科学省によりますと、すでに2012年度に中学校の技術・家庭の教科のなかで「情報処理の手順を考え、簡単なプログラムが作成できること」として、プログラミングが必修となっています。
さらにことし4月、政府の「産業競争力会議」は、2020年度に小学校でもプログラミングの必修化を検討する方針を示しました。
非IT系の社会人からも熱視線
こうしたプログラミングを身につけようという動きは、社会人の間でも増えています。
プログラミングを教えている「コードキャンプ」では、社会人を中心に受講者が増えています。
今では営業職などエンジニア以外の職種が増加。
例えば印刷会社や物流会社など、IT企業以外に勤める人も受講しているといいます。
ITエンジニアでなくてもビジネスのIT化が進むなかでプロジェクトをよりよく回すためには、プログラミングへの理解は重要で、社会人にとっての付加価値になってきています。
重要なのは“プログラミング思考”
まず、優秀なプログラマーとは無数に存在するプログラミング言語を必要に応じて使いこなせることが重要。
ただし、それ以上にビジネス上の課題の解決や目標の達成のために、どんな道筋でプログラムを作成する必要があるか、突き詰めるとビジネス自体の進め方をしっかり計画できる人材だといいます。
さらに、「プログラミングは決してプログラマーとして仕事をするために学ぶのではない」という意見もあります。
ITの世界に限らず、問題に直面したときには、“プログラミング思考”が有効だといいます。
問題を乗り越えるためには、まさにプログラミングのように全体を要素ごとに整理し、一つ一つ順序立てて解決していくという作業が役立つというのです。
より大きなビジネスの成功のために、もっと高い給与を得るために、あるいは人より抜きん出るために重要な技能だとして、ニーズが高まってきたプログラミング。
しかし、ITが当たり前になった今、プログラミング自体ができずとも、基本の考え方を知ることは誰にとっても役立ちます。
2016年5月19日
NHK NEWS WEB(経済部 加藤陽平氏)